マニュアルを守れる人材から、マニュアルの先を考えられる人材へ
「正しく仕事をする」だけで、十分なのか
企業において、マニュアルは業務の標準化や品質の維持、リスクの低減に欠かせないものです。誰もが一定の水準で仕事を遂行できることは、組織運営の基本でもあります。
しかし、マニュアルを正確に守ることが、いつの間にか仕事の目的になってはいないでしょうか。
「決められたことは、きちんとやっています」
「指示されたとおりに対応しました」
その言葉に間違いはありません。しかし、そこで思考が止まってしまうとしたら、組織にとって大きな損失です。
求められるのは、マニュアルを守れる人材から、マニュアルの先を考えられる人材への成長です。
決められたことを正しく遂行する力に加えて、現状に疑問を持ち、より良い方法を考え、自ら行動する力。
変化の激しい時代だからこそ、こうした主体性と当事者意識を備えた人材の育成が重要になっています。
「感じて、考えて、行動する」― 美意識経営™が大切にすること
JK22コンサルティングが提唱する「美意識経営™」では、**「感じて、考えて、行動する」**ことを大切にしています。
「感じる」とは、目の前の出来事や相手の気持ち、職場の小さな変化や違和感に気づくこと。
「考える」とは、その気づきを見過ごさず、なぜそうなのか、どうすればもっと良くなるのかを、自分の頭で考えること。
そして「行動する」とは、自らの判断に責任を持ち、より良い状態をつくるために一歩を踏み出すことです。
ここで重要なのは、単に自分で考えて行動すればよいということではありません。
何が正しいかだけでなく、何が望ましいか。どのような判断や行動が、自分や周囲、そして組織にとってより良いものなのか。
その判断の質に関わるものが、美意識です。
マニュアルは行動の基準を教えてくれます。しかし、あらゆる状況に対する最善の答えまで示してくれるわけではありません。
だからこそ、一人ひとりが自分なりの判断基準を持ち、考える力を磨き続けることが求められるのです。
「もっと考える力」は、育成できる
自分の頭で考える力は、一部の人だけが持つ特別な能力ではありません。
日々の仕事の中で、問いを立て、判断し、振り返る経験を積み重ねることによって育てることができます。
JK22コンサルティングでは、こうした思考力と当事者性を引き出すための人材育成において、例えば次のようなワークを取り入れます。
①「マニュアルの、その先を考える」
決められた手順を正しく遂行することと、相手にとってより良い結果を生み出すことの違いを考えます。仕事の本来の目的に立ち返り、状況に応じた判断力を養います。
②「もっと」を5回考える
日常業務を当たり前のものとして受け入れるのではなく、「もっと良くするには」という問いを重ねます。業務の進め方だけでなく、その目的や必要性まで考えることで、改善・改革につながる思考力を育てます。
③「あなたなら、どうする?」
正解を与えられることに慣れた状態から、自分なりの答えを導き出す状態への転換を促します。複数の視点から考え、自分の判断を言語化することで、主体性と意思決定力を高めます。
これらのワークに共通するのは、知識や正解を教え込むことではなく、自ら問いを立て、考えるプロセスそのものを育てるという考え方です。
社員の主体性を左右する、管理職の関わり方
一方で、社員に「自分で考えなさい」と求めるだけでは、当事者性は育ちません。
部下が相談するたびに上司が答えを与えていたら、部下は自分で考える必要がなくなります。
また、自分なりに考えて行動した結果、失敗を厳しく責められるような職場では、社員は次第に挑戦を避け、指示を待つようになるでしょう。
つまり、社員が自分の頭で考えるかどうかは、本人の意識や能力だけの問題ではないのです。
社員が考えることを、組織がどれだけ歓迎しているか。
そこには、管理職の関わり方と組織風土が大きく影響しています。
管理職には、指示や答えを与えるだけでなく、部下の考えを引き出す問いかけが求められます。
「あなたはどう考える?」
「ほかに方法はないだろうか?」
「もっと良くするには、何ができるだろう?」
こうした対話を日常的に積み重ねることが、部下の思考力を育て、自ら判断し行動する機会を増やしていきます。
さらに、結果だけでなく、考えたプロセスや改善への挑戦を認めることも重要です。
管理職自身が「もっと良くできないか」と問い続ける姿勢を持つこと。それが、社員の主体性を育む組織風土づくりの出発点になります。
当事者性とは、自分の仕事に責任と誇りを持つこと
当事者性のある人材とは、単に指示を待たずに動く人材ではありません。
自分の仕事が何のために存在し、誰にどのような価値をもたらしているのかを理解し、その価値を高めようとする人材です。
「これでいい」ではなく、「もっと良くできるのではないか」。
その問いを自分自身に向けられることが、仕事への責任と誇りにつながっていきます。
そして、一人ひとりが自らの判断と行動によって仕事の質を高めていくことは、組織全体の価値を高めることにもつながります。
マニュアルは、行動の基準を教える。
思考は、その行動の意味を問い直す。
美意識は、より良い行動を選ぶための判断基準になる。
美意識経営™が目指す人材育成は、単に仕事ができる人を増やすことではありません。
自分の判断に責任を持ち、より良い仕事、より良い職場、より良い組織を自らつくろうとする人材を育てることです。
その積み重ねが、組織の品格を高め、持続的な成長を支える力になると考えています。
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「考えることをやめてしまった社員」に、再び考える喜びを取り戻してもらう方法とは?
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