「考えることをやめてしまった社員に、再び考える喜びを取り戻してもらう方法とは?
社員は、本当に「考える力」がないのか
「最近の社員は、自分で考えようとしない」
「指示されたことはやるけれど、それ以上のことをしない」
「もっと主体的に仕事に取り組んでほしい」
経営者や管理職の方々から、こうした声を聞くことがあります。
しかし、ここで一つ考えてみたいことがあります。
その社員は、本当に考える力がないのでしょうか。それとも、考えることをやめてしまったのでしょうか。
人は本来、好奇心を持ち、自分なりに考え、工夫する力を備えています。
ところが、組織の中で仕事を続けるうちに、その力を十分に発揮しなくなることがあります。
自分の意見を述べても採用されない。新しい方法を提案しても、前例がないと退けられる。自分で判断するよりも、上司の指示に従った方が安全だと感じる。
こうした経験が積み重なると、人は次第に考えることを控えるようになります。
能力がなくなったのではありません。
持っている能力を、使わなくなってしまうのです。
これは、個人の問題であると同時に、組織にとっても見過ごすことのできない課題です。
考えない方が、合理的になってしまう職場
社員の主体性を高めたいのであれば、まず、社員が置かれている環境に目を向ける必要があります。
例えば、上司が常に正解を持ち、部下の提案よりも自分の考えを優先する職場。
失敗を許容せず、決められた手順を守ることだけが評価される職場。
あるいは、業務量が多く、目の前の仕事をこなすだけで精いっぱいになっている職場。
そのような環境では、社員にとって「余計なことを考えない」という選択が、合理的になってしまう場合があります。
自分で考えて行動するよりも、指示を待っていた方が安全であり、確実だからです。
その一方で、経営者や管理職は「もっと主体性を持ってほしい」と願っています。
ここに、組織の大きな矛盾があります。
社員に主体性を求めながら、主体性を発揮しにくい環境をつくってはいないでしょうか。
社員の意識改革を進める前に、組織の側にも問いを向ける必要があるのです。
「考える喜び」を取り戻すための3つのアプローチ
では、考えることを控えるようになった社員に、再び自分の頭で考え、行動する喜びを取り戻してもらうには、何が必要なのでしょうか。
JK22コンサルティングでは、次の3つの視点を重視します。
① 自分の考えが尊重される経験をつくる
人は、自分の考えに耳を傾けてもらい、それが何らかの形で仕事に反映されたとき、自分の存在価値や仕事への手応えを感じやすくなります。
大切なのは、すべての提案を採用することではありません。
「なぜそう考えたのか」
「どのようなことに気づいたのか」
その思考のプロセスに関心を持ち、対話することです。
自分の考えが尊重される経験の積み重ねが、再び考えてみようという意欲につながります。
② 小さな成功体験から、自己効力感を育てる
いきなり大きな課題を与え、「自分で考えて解決しなさい」と求めても、主体性が育つとは限りません。
まずは、日常業務の中で自分なりの工夫ができる機会をつくることです。
小さな改善を考え、実行し、その結果を確かめる。
自分の考えや行動によって、何かが少し良くなったと実感する。
こうした経験が、「自分にもできる」という自己効力感を育てます。
そして、その実感が次の挑戦への意欲を生み出していきます。
③ 仕事の意味と、自分の価値観を結びつける
もう一つ重要なのが、仕事の意味を考えることです。
自分の仕事は、誰のためにあるのか。
どのような価値を生み出しているのか。
自分は、どのような仕事をしたいのか。
日々の業務に追われていると、こうした問いに向き合う機会は少なくなりがちです。
しかし、仕事の意味を自分なりに見いだすことができれば、仕事は単に与えられた業務ではなく、自分が関わり、価値を生み出す活動へと変わっていきます。
「やらされている仕事」から、「自分がより良くしたい仕事」へ。
この意識の変化こそ、当事者性を育てる重要な転換点です。
管理職に求められるのは、答えを教える力だけではない
社員が再び考えるようになるためには、管理職の関わり方も変わる必要があります。
管理職は、部下よりも豊富な経験や知識を持っていることが多く、問題に対して素早く答えを示すことができます。
しかし、常に上司が答えを与えていては、部下が自分で考える機会は減ってしまいます。
そこで必要になるのが、問いかける力です。
「あなたは、どう思う?」
「どうすれば、もっと良くなるだろう?」
「あなた自身は、どうしたい?」
こうした問いを通じて、部下が自分の考えを言葉にし、判断する機会をつくるのです。
また、部下が示した考えに対して、すぐに正誤を判断するのではなく、まずはその背景や理由を理解しようとする姿勢も欠かせません。
もちろん、管理職には必要な場面で明確な指示や判断を行う責任があります。
重要なのは、答えを与えるべき場面と、部下に考える機会を与えるべき場面を見極めることです。
部下の思考力を育てることも、管理職の重要な役割なのです。
美意識経営™が目指す「感じて、考えて、行動する」組織
JK22コンサルティングが提唱する「美意識経営™」では、**「感じて、考えて、行動する」**ことを大切にしています。
「感じる」とは、目の前の出来事に関心を持ち、違和感や可能性に気づくこと。
「考える」とは、その気づきをもとに、自分なりの問いを立て、より良い選択を模索すること。
「行動する」とは、自らの判断に責任を持ち、望ましい状態をつくるために実践することです。
そして、この一連のプロセスを支えるのが、一人ひとりの美意識です。
自分は何を大切にするのか。
どのような仕事を良い仕事だと考えるのか。
どのような判断や行動が、自分や周囲、組織にとって望ましいのか。
そうした問いを持つことによって、人は単に正解を探すのではなく、自分なりの判断基準を磨いていくことができます。
考えることは、必ずしも効率的なことばかりではありません。迷い、悩み、試行錯誤することもあるでしょう。
しかし、そのプロセスの中で新しい発見が生まれ、自分の成長を実感できることがあります。
自分で気づき、自分で考え、自分で選び、行動する。そこには、本来、仕事をする喜びがあるはずです。
美意識経営™は、その喜びを一人ひとりが取り戻し、自らの可能性を発揮できる組織づくりを目指します。
人が変わるのを待つのではなく、人が力を発揮できる組織へ
社員の主体性や当事者意識を高めるために、研修や教育は重要な役割を果たします。
しかし、研修で意識が変わっても、職場に戻れば以前と同じ環境が待っているとしたら、その変化を持続させることは難しいでしょう。
だからこそ、人材育成と組織づくりは切り離して考えることができません。
社員一人ひとりの思考力を育てること。
管理職が、その力を引き出す関わり方を身につけること。
そして、考えること、提案すること、挑戦することが尊重される組織風土をつくること。
これらを一体的に進める必要があります。
社員は、単に組織から与えられた仕事をこなす存在ではありません。
自ら考え、判断し、行動することで、新たな価値を生み出す存在です。
「社員をどう変えるか」ではなく、「社員が持っている力を、どうすれば発揮できるのか」。
この問いから始めることが、これからの人材育成と組織づくりに求められているのではないでしょうか。
美意識経営™は、人が本来持っている感性や思考力、行動する力を大切にし、その力が組織の価値へとつながる経営を目指しています。
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